テナントでお店を開業するなら立地や賃料よりも借りる前に知っておきたい重要なひとつの事!

2017年05月07日
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役立ち?

店舗によっては大きな壁となる場合もあります





店舗展開のプランが出来ているなら尚更


よくもまぁ無くならないなぁと思うほど依頼があります店舗工事




商業施設や共同施設等のお店から一軒物のフリースタイルのお店まで、物販や飲食や医療や療養にホテル系やら風俗系と様々に…

お店の規模も大中小いろいろ

そんな中でも多いのがビルインテナント物件での店舗工事

ビルの一部フロア若しくは全フロア部分がテナント貸しになっている物件のこと

マンションやアパートの一部をテナント向けに開放しているのもビルインって呼んだりします

部屋を借りるのと一緒で条件が合い賃料さえ払えば駅周辺等や人気地にもお店を開ける場を提供されるっていう借りる側からしたら楽さが魅力な物件です

なかなか希望に合う物件が見つかりにくい事もありついつい立地や賃料に目が行きがちですが希望の場所が見つかった時には是非契約前に確認してほしい事です

お店全般に言えます

特に飲食店をやろうとしている人には要注意な事


その物件の設備供給大丈夫

ですか?



気をつけてもらいたい重要な事はこの一点のみです

「何だよ!」とか言えるほど知っているならいいですが

ホントに知らない人は存在します

借りる方も貸す方も知らないわからない状態な物件は存在します

設計会社や建築工事会社に内装工事を依頼して希望通りのプランを立ててくれたとしても設備工事に関して理解出来てる人間は少ないです

工事着工後各設備専門業者が入ってきて容量不足が発覚する事もあります

知らないのに貸して知らないのに借りて知らないのに工事した…みたいな

ありえない事がありえます

結構気の毒な目や痛い目にあったお客さんとも話した事あります

原因はいつもたったひとつのこと

その物件の設備供給状態!

設備供給、すなわち設備容量が希望する店舗展開の設備容量に満たないのです

初めてお店を持つ人に限った話しでもなく、2店舗め以降の店舗展開時に当該物件に当たってしまう人もいます

店舗展開した後に繁盛しちゃって規模拡張したいなんて時にも関わってきます

出来れば少ない設備投資で開店したい店舗経営

物件の設備容量の確認は大事です

借りる時は是非気にして下さい

設備供給・容量って何?大事なの?


設備供給って言葉が一般的であるかわかりませんが

ライフラインであるインフラ設備がちゃんと供給されているかって事

ちゃんとというところがミソです


ライフライン (lifeline) とは、元は英語で「命綱」の意味だが、日本では主にエネルギー施設、水供給施設、交通施設、情報施設などを指して、生活に必須なインフラ設備を表す語。

現代社会においては、電気・ガス・水道等の公共公益設備や電話やインターネット等の通信設備、圏内外に各種物品を搬出入する運送や人の移動に用いる鉄道等の物流機関など、都市機能を維持し人々が日常生活を送る上で必須の諸設備のことを指す。

wikipediaヨリ


現在の日本では店舗でなくても必要不可欠な設備

【電気・ガス・水道】

ほぼ物件としては導入されていることでしょうが

重要視してほしいのはその供給量・容量です

テナントの需要に対して供給が足りているのかどうかになります

特に三大ライフラインとも言われる電気・ガス・水道

いずれも物件の設備施設的に容量が設定されてます

どれも電気通じてるから、ガス使えるから、水流れるからと言って好きなだけ使える訳ではありませんから注意が必要です

ネットとか見ていると電気はブレーカーの容量上げれば大丈夫とか見かけますが設定容量を超えての増設はできません


厨房等を抱える飲食店ならよりシビアです



水やガスをよく使う店舗でしたら給水や給ガス量が満たされているかどうかが大事なポイント


コレらには供給するための配管サイズ等が関わってきます

テナントまでの供給配管サイズが満たされていなければテナント工事でいくら満たされた配管サイズにしたところで供給が間に合いませんから望みどおりの水量やガス量を得る事ができません

衛生設備機器や業務用機器や厨房機器等の水やガスを必要とするものに影響します


電気もそうです

使われている配線(ケーブル)サイズには容量がありますので、テナントへ導入されてきている配線の容量を超えてテナントへ電気を供給することはできません

照明や電気機器等の電灯設備や空調機器や業務用機器等電力設備(動力)等電気を必要とするものに影響します


どんなに新築な物件でも展開規模容量の方が大きくテナント施設の容量を越えてしまえば容量不足になってしまいますので注意どころです



現場でもたまに聞かれたりするから質問形式みたいにしてみたよ


電気の場合で例えてます


借りる時に飲食店オッケーって言われたから大丈夫でしょ?

賃貸条件要項に飲食店可とか記載されていたり口頭で言われたとしてもそれは飲食店をテナントで展開していいという許可である場合がほとんどだったりします

展開したいように飲食店展開できるかどうかを保証するものではないので展開規模は既存設備容量によります

自分の展開したい店舗がどのくらいの設備容量が必要か知っているのなら契約前にその容量を物件が満たしているか確認した方がよいでしょう

必要容量がわからなくても契約前にその物件がどのくらいまで供給可能であるのかを確認した方が無難です

それに合わせた設備設計が行なえますので検討する事ができます

貸し主や仲介業者が何度も入れ替わったりしているような古い物件等では設備容量がどのくらいなのかも貸し主側で把握されてない物件もありますので確認してもらった方がいいですね


前物件もラーメン店で今度もラーメン店、しかも居抜きだから設備関係はそのままだし平気でしょ?

前物件が自分の希望とする店舗展開と同じような業種・業態であったとしても安心できない物件も稀にあります

いい加減な内装工事業者等が物件を施工していた場合ではものすごいイカサマ的な方法で設備工事している場合もありますから新たに内装工事等した場合に改修されて使えなくなる事も

通常であっても容量不足な面をいろいろ補ってるかもしれません

ギリギリの容量で営業していた可能性もありますから追加で機器の増設等が出来ない事も

やはり容量確認は必要です


ビル自体がテナントビルで同じフロアには飲食店が数店入ってるので容量大丈夫そうだ

確かにテナントビル等最初から各部屋の設計を高めに見込んでいるビルもあります

ですが中には低圧引込だったり高圧引込でもキュービクルのトランスサイズが小さい等の場合、単純に言えば電気の使用量は早いもん順だったりしますので逆に好きなだけ使われちゃって余りのテナントには容量がほとんど残っていない場合もあり

簡単に例えるなら電気量の総容量が60A(アンペア)の3階建てビルがあります(実際にはそんなビルはないですし本来はアンペアではないですがわかりやすく表現しました)

3階のテナントで20A分使われてます

2階のテナントで20A分使われてます

1階のテナントで15A分使われてます

空きテナントは1室ですが

すでに電気容量として他所で55A分使われてしまってるのでその空きテナントの電気容量は5Aしか残ってません

その容量内での電気使用設計の必要があります(この場合なら5A以内におさめる必要が)

それでも容量増設したい場合はビル全体の改修工事が必要です


低圧引込み内での増設が不可能な場合は高圧受電への変更が発生しキュービクル等の高圧受変電設備を設置する必要も生じます

高圧受変電設備であってもトランスの負荷容量を超えての供給はされませんから受変電設備の改修を要する必要も生じます

さらに場合により引込み線や幹線等建物の共用部分の改修工事も必要になります

維持費も必要になってくるため1テナントだけの為にはビル側から拒否される可能性もあります

増設後の総容量が低圧引込で収まる場合でも引込み線や幹線張替えが必要だったり開閉器盤等の改修の必要が生じる事例も

いずれの場合もビル側で工事負担を負わない限りはテナント側での工事負担となってしまい

内容によっては半端じゃない金額かかりますから気をつけて下さい


電灯10kVA(キロボルトアンペア)動力8kVAまでの電気容量があると言われたよ

でしたら電気は電灯(単相100V及び200V)は主幹に50A(アンペア)のブレーカーをつけて最大で100A10000W相当まで使え動力(3相200V)は機器総容量8kVAまで設置可能な物件です

この容量内で照明器具等を含めた機器類を設置して使用できます

希望とする店舗展開の電気容量がこれ以上となってしまってる場合電気設備の減設を検討するかテナント部への容量増設を検討する事になります

ゆずれない場合には希望が叶う物件探しへとその場所でのテナント契約自体を見直さなくてはなりません


・・・例えは電気でしたが水道やガスにも同じような事が言えますので自分の思い通りの店舗設計ができるかどうかに設備容量は大きく関わります


テナントを借りる時には立地や賃貸料の条件も大事ですが設備容量にもぜひご注意下さい


おまけ


物件の工事依頼を設計ありきでデザイナーや設計士に頼む人もいるでしょうが

工事施工に許可や資格が必要であっても図面を書くだけでは資格も許可もいりません誰でも書く事できます




建築家・設計士・デザイナー等は誰でも名のる事できますし誰でもなれます

建築士だけは国家資格を得ていなければ名のる事はできませんが2級建築士は大学出ててちょっと頑張れば資格所得する事も出来てしまいますので肩書きついてるからデキる人とは思わない方が無難です

中にはどうしようもないのいますから誤魔化されたり騙されたりしないように気をつけて下さい

…と言っても何が誤魔化しでどこが騙されたか理解できなければ何事も無かったと言う事になってしまうのでしょうけど…

見栄えの良さデザインの良さも大事でしょうけど店舗として機能しなければハリボテと一緒です

設備設計のできる人がいる業者を選んだ方が確実です

工事業者だけでなく設計側にもお気をつけ下さい

最後におまけでした

m(_ _)m

 

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Posted by 先ずはビールをお願いします。

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